ホテルのダイニングバーで働く真奈の親友・すみれは、3年前の震災で行方不明に。 ある日、真奈が働くバーにすみれの恋人・遠野が現れ、同棲していた部屋を引き払って彼女の荷物を処分しようと思う、と言い出す。それに反発する真奈だが、勤務先の上司の自殺…

東京バンドワゴンシリーズ11作目。で、シリーズ10周年。だが、9作目と10作目を読 んでいない気がする。 本作では、堀田家の蔵に一冊のみ所蔵された『呪いの目録』を嗅ぎまわる怪しいグループが原因で、堀田家に騒動が巻き起こる。 さらには、バンド・ワゴン…

歌舞伎町セブンシリーズ。R-ルージュと同時刊行とはビックリ。 沖縄米軍基地問題や日米安保を取材していたフリーライターが惨殺され、ジウシ リーズの新宿署・東警部補が捜査を担当する。途中、姫川玲子シリーズの姫川やガンテツも登場、こりゃ凄い。 冒頭で…

姫川玲子シリーズ。N-ノワールと同時刊行とはビックリ。 警部補に昇任した菊田が合流した捜査一課殺人班十一係姫川班は、祖師谷で起きた地下アイドル一家惨殺事件を担当。姫川を高く評価する林が統括主任として見守る。が、天敵のガンテツも絡んでくる。捜査…

東京で「カリスマ学芸員」として知られ、香瀬町（かぜまち）の「かぜまち美術館」の館長に招聘されて来た佐久間と、一人娘で5歳の保育園児・かえでが主人公。佐久 間父子の隣に住む宇野カホリの兄・ヒカリは、天才画家として世に出る寸前の18年前に心臓疾患…

世が世なら若殿様とよばれるはずだった旧幕臣の子息達が、明治維新後に警察官になり「若様組」と呼ばれて東京の街中でも人気という若様組シリーズ第3弾。らし い。前2作読んでないな、多分。で、近々外国との戦争が始まることを懸念した明治の成金・小泉琢磨…

保育園を舞台にした、日常の謎系作品。25歳の小川美南は保育士になって５年目、受 け持ちの園児・旬太のシングルファザーで、定時退社しやすい部署に異動して子育て に奮闘する志賀隆平が気になっている。保育園前をうろつく高校生、こっそり持ち出した親の…

母子家庭で育った私立中3年の給前志音（きゅうぜん・しおん）は、引っ込み思案で、幼稚園の頃から勉強も運動も友達付き合いさえも、瑠璃という明るい太陽のような唯一の友達に頼り切ってきた。が、離れて暮らしていた父との一度だけの再会を きっかけに、志…

警視庁SPの土壁英朗は、父親が獣医だったせいか、会う人の印象を動物に例えるのが 癖。要人警護で負傷した間に、幼い頃両親の離婚で別れた母の墓参りのために、北海道にある母の故郷を訪れる。町の名家である母の実家には祖父母と小5の異父弟・未来が 住んで…

相方を失ってもコンビニのバイト中にツッコミ練習を続けるお笑い芸人を描いた標題作等、仕事と再チャレンジをテーマにした全八編の短編集。 尾行してもその体型からすぐに気づかれてしまう元相撲取りの探偵の話や、CAからグ リーン車のキャビンアテンダント…

不愉快な事には必ず「復讐」するのがモットーの女子高生・小峰りなが主人公。そんなりなが、夜道で何者かにナイフで腰を切り付けられるとともに「ラメルノエリキサのためなんです」という言葉を耳にする。入院を余儀なくされた屈辱に当然のように復讐を誓う…

高卒後すぐにデパ地下の和菓子屋「みつ屋」でアルバイトとして働きはじめた、食べ るのが大好きでちょっぴり太めな杏子（通称アンちゃん）が、客の言動やデパートの不思議な出来事の真相を解き明かしていく日常の謎系作品『和菓子のアン』の6年振りの続編。 …

80年代の札幌を舞台に、狸小路（確か・・）の『D』という喫茶店でアルバイトをし ている大学生・幸平を中心に描いた作品。ある日幸平のもとに、東京の職場で働いているはずの姉が突然現れ、ろくに理由も説明しないまま居座ることに。一方、『D』 ではやり手…

まぐれ的に大手出版社の千石社に入社できた日向子は、PR誌の編集部に配属された が、主力週刊誌「週刊千石」の編集部に居た同期の桑原がストレスで身体を壊したため、その後釜として「週刊千石」編集部に異動した。 業界内でも群を抜く実績の週刊誌だけに、…

「十円参り」「手紙の主」「丘の上」「殺したもの」「スイッチ」「私の町の占い 師」等々13もの怪談を収録した短編集。怪談も短編もこの作家さんにとっては珍しいらしい。 所謂都市伝説的な話に生きている人間の怖さがプラスされて、予想よりも怖し。だが、…

シリーズ9作目。前作の“契り”で美少女仙人・僕僕と王弁がようやく創った仙丹を 奪った元同僚・田欧を追って長安へ向かった劉欣。長安には、何と、何よりも大事な育ての親も連れ去られていた。 劉欣より遅れて長安に向かう僕僕や王弁やおねえ呪術師・デラク達…

全国を震撼させた少年犯罪者というとてつもない過去を持つ、悪徳剛腕弁護士・御子柴礼司シリーズ第3弾。 前作で、勝訴と引き換えに自らの過去を世間に知られて法廷を去ったはずの御子柴だが、本作では、人生の師とも言うべき少年院時代の教官・稲見が、入所…

（Bookデータベースより） 有名政治家を父に持つ遠明寺美智之輔(おんみょうじみちのすけ；ミッチ)は、子ども の頃から絵を描くことが好きな乙女な男の子。恋愛対象が同性の美智之輔は、同級生の高瀬君に憧れていたが、思いを告げることもないまま、日本の美…

南の島国・トンガを舞台に、阪神淡路大震災で大切な人を喪った人々を描いた短編4 つから成る連作短編集。 5歳の時の震災で双子の姉を喪った雪絵の話。無計画でトンガを訪れた雪絵は、尚美という日本人女性が営むゲストハウスに拾われるが、同じハウスにやっ…

主人公は、足が不自由な母親と同居しているアラサーのフリーライター・小暮ア キ。認知症の徴候も有る母親の世話のために定職に就くことは諦めて、大きなネタを狙っている。 そんな折、近所の超高級老人ホーム「メゾンメトセラ」で調理師の仕事を始めた年下…

シリーズ3作目。 1作目で札幌勤務の28歳の刑事・キュウこと仲野久は、無駄に色男な35歳の先輩・ 根来とともに、根来の元同級生で、検死で世話になっている札幌医療大学の若き美貌の女性教授・志村秋奈を訪ね、19歳の末弟・春と出会う。この春がとんでもない…

シリーズ3作目。って過去作のタイトルが『花咲小路四丁目の聖人』と『花咲小路一丁目の刑事』と、丁目が違っていることに今気づいた！ 本作は、高校を中退して2丁目の「花の店にらやま」で働くことになった井筒めいが主人公（語り手)で、この花屋の店主でめ…

八人姉妹の長女・さき子を母に持つ更屋恭一郎が、ある女性に7人の叔母達のエピソードを順に語っていく、という形態の作品。 恭一郎は母・さき子が20歳の時に生まれたのだが、その時の叔母達の年齢構成は、志乃子19歳、万紗子／美津子（双子）17歳、与糸子15…

出版社に勤めるアラサー独身男の黒島は、書店営業部門から編集部門へ転身した、自他ともに認める小説好きのストイックな編集者。今をときめく若手売れっ子作家をブレーク前からサポートし続けたことで絶大な信頼を得ているため、業界内でもそこそこ顔が利く…

恋人の聖子と町田市のマンションで同棲中の辰吾が帰宅すると、自分がいつも座る席に大きな熊が？いや、ずんぐり体型で無精ヒゲの小汚いオッサン・聖子の「お父ちゃん」中本三郎だった。義理の父なので苗字が違うとか。で、この三郎さんは、何日も何日も近所…

2011年大震災後の気仙沼で結成された「産地直送気仙沼少女隊SCK GIRLS」という実 在のグループをモチーフにした作品らしい。 ミュージシャンの夢破れて東京から戻ったアラサー男のリューは、高校の先輩だがヤクザまがいの強引さで地元なら誰でも避けて通るお…

大学2年生の新城は、大学の友人・橋本に誘われて見た「南部芸能事務所」のお笑いライブに魅了され、その場で芸人志望を決心する。橋本は、可愛いルックスで人気急上昇中の女芸人・津田あおいとバイトで知り合い、付き合うようになっていたの だ。早速相方を…

翌年の廃校が決まっている県立男子高に通う錫之助は、強面の教師・ダイブツの命令で片づけ始めた音楽室でハンドベルを見つけ、その音に魅せられる。居合わせたのはイケメンでそつがない播須、いじめられ体質の美馬、不良の土屋と、全くまとまりのない連中だ…

南部芸能シリーズ第3弾。実は1作目を読んでいないんだが。 前2作目でコンビ名が「メリーランド」に決まった大学3年の新城と溝口。新城は家族 にもプロの芸人となることを告げ、授業とバイトと稽古に明け暮れる毎日。 芸歴7年目だけどパッとしないトリオ「ナ…

1960年に完成し、スターハウスと呼ばれる斬新な8つの棟から成るつぐみ台三丁目団 地、通称たんぽぽ団地を舞台にした、若干ファンタジー的な作品。 元子役の映画監督・小松亘は、唯一の主演作である「たんぽぽ団地の秘密」というドラマのロケ地だった団地の取…