陽だまりの彼女(越谷オサム)満足度:☆☆☆☆

陽だまりの彼女
主人公の“僕”奥田浩介は、中堅広告会社に入社2年目の若手社員。ある日訪問した取引先で、中学時代の同級生、渡来真緒と10年ぶりに再会する。学年一、二のおバカでイジメの標的にもなっていた真緒は、同行した浩介の上司も唸らせるほどの出来る女になっていた。
浩介が“僕”という一人称でストーリーを語る文体なので、過去の回想部も含めて真緒への想いがストレートに伝わってくる。そのために前半はかなりベタな恋愛小説風味。
だが、絶対に読み進めるべし!進むに連れて、真緒に関する10年前の噂や現在の行動に少しずつ小さな疑問が生じていき、軽くミステリー風にもなってくる。
ラストには衝撃を受けた。「3つめ」が登場しなかったらかなり欝に引き込まれたんじゃないか、と予感する程ツボにはまった。