光待つ場所へ（辻村深月）満足度：☆☆☆

短編集。各作品間の登場人物のには関係が無さそうだが、作者の過去の作品群の脇役達が主人公だったりするらしい。
ちなみに過去の作品群と脇役達とは、『冷たい校舎の時は止まる』の清水あやめ、『スロウハイツの神様』のチハラトーコ、『名前探しの放課後』の天木敬と『凍りのくじら』の松永郁也らしい。
つーか、それぞれの過去の作品同士の間でも登場人物はリンクするのがこの作家の特徴だった。そもそもデビュー作の登場人物が自分の名前だということだし。
以上の事情から、本作を読む前にこれらの前作群をおさらいした方が楽しめるのではないか。
本作自体は、何となく小さいときから才能に恵まれ、そのまま自我がでかくなってしまって思春期に苦しむ、ってパターンかなーとも感じたけど、こじ付けかもしれない。
エログロほぼ無いので子供に読ませてもいいんだけど、個人的にはこの作品の細かな心理描写に同調できてしまう子供って、タイプじゃないかなー。