おそろし(宮部みゆき)満足度:☆☆☆★

おそろし 三島屋変調百物語事始
先日、先に読んでしまった「あんじゅう」の前作。
時は江戸時代、主人公のおちかはある事件のために心に深い傷を負って引きこもるようになってしまった。心配した周囲の配慮もあって、叔父夫婦が営む神田の袋物屋「三島屋」で住み込みで働くかたわら、江戸の不思議な話を100話集めようという活動を始める。
本作にはそのうち5話(だったかな?)が収録されている。
次作の「あんじゅう」の不思議話には、真っ黒でまん丸な化け物(=あんじゅう;暗獣)や日照りをもたらす疫病神等の人ではないものの登場が多かったが、本作の不思議話のメインキャラは人間が多かった。で、本作の方が数段怖い。
男女の仲に言及する話があるので、別に子供に読ませなくてもいい本。この辺も2作目とは異なる。
2作目までで採り上げた江戸の不思議話は10話程度だから、まだまだ続くんだろうな。多分2話目の路線で行くんだろうけど、その辺りもちょっと楽しみ。