蜂蜜秘密（小路幸也）満足度：☆☆☆

あらゆる病気を治す奇跡の蜂蜜「ポロウの蜂蜜」を守るために車も火薬も制限し、様々な掟に従って暮らしているポロウ村が舞台。ポロウの蜂蜜を採るために必要な「キングサリーの花」を代々栽培している村一番の名家・ロウゼ家の一人娘サリーと、村一番の養蜂家の跡取り・ジャックは、蜂蜜色の髪の毛を持つ遠い国からの転校生・レオと仲良くなる・・・。
東京の古本屋や北海道を舞台にした作品が多い印象の小路作品の中では、かなりファンタジー色が強い作品。本作の舞台となったポロウ村は、実は5年前に読んだ『キサトア』に登場していたらしいが。
ラストは昔を振り返る形、仄かなファンタジー色やそこから来る読後感の良さに切なさも加わって、かなり好みの作風。
ただ・・・本作の場合は作品全体のファンタジー色の強さに、ラストの良さが少し薄まってしまった様な印象。