明治妖モダン(畠中恵)満足度:☆☆☆★

明治・妖モダン
しゃばけシリーズ、つくもがみシリーズ等、江戸時代を舞台にした作品のイメージが強い作者だが、本作は明治維新後20年経った銀座が舞台。
作中で、銀座の派出所勤務の巡査・原田と滝等、洋装の登場人物達が集まるのもアーク灯が灯る煉瓦街の牛鍋屋(だったかな?要は洋食屋さん)、畠中作品の代名詞の妖(あやかし)が登場するには確かに場違いだが・・・「江戸が終わって20年。妖たちが、そう簡単にいなくなると思うかい?」
街並みや人物が現代に近づいた分、しゃばけシリーズに漂っていたファンタジー色が薄まり、オカルトっぽさが際立ってくる。
これ、怖いしちょっと読後感もアレ。だが、作者の他の作品とは明らかに違う作風が新鮮で、グイグイ引き込まれること必定。