総理の夫(原田マハ)満足度:☆☆☆☆

総理の夫
 主人公の相馬日和(ひより)は、日本を代表するコンツェルン・相馬グループ宗家の二男坊。名前の通り優柔不断だが、大金持ちで東大卒でそこそこのルックス、自宅の庭にやってくる野鳥の観察が趣味で、鳥類研究所に勤務、とどこか浮世離れしていて憎めないキャラ。
 妻の凜子は、著名な小説家の父と国際政治学者で大学教授の母の間に生まれ、自身も気鋭の国際政治学者だったが、衆議院選挙に当選後、小党・直進党党首を務めていた。
 ある日、民心党党首の原久郎(はらくろう;笑)が画策した政変により、凜子は42歳にして第111代総理大臣に選出される・・・。
 凜子と日和の人物設定があまりにも現実離れしている様に感じるが、実はこれに近い人達の世界ってあるんだろうな、とか感じながら読んでいた。脳裏には東京五輪招致委員のTopやそのご子息のK大教授さんの顔が浮かびながら。
 美貌と正義感で、選挙権を持たない女子高生にまで人気抜群の凜子だが、設定は42歳、確かに戦後の日本の首相で一番若かった第一次安倍首相よりも1回り若いが、オーストラリアやウクライナ等、海外では近いキャラの女性首相が実在したんだよなー。
相馬家や鳥類研究所や直進党の面々も好キャラ揃い、ますます原田マハ作品が楽しみになる本だった。