船に乗れ! 2独奏(藤谷治)満足度:☆☆☆☆★

船に乗れ!(2) 独奏
このブログ史上最高評価の☆☆☆☆★!!
1作目の“合奏と協奏”が思春期の甘〜い部分を描いていたとすれば、本作“独奏”はほろ苦い部分担当。
ほろ苦どころじゃないか。1作目同様に「現在のサトルが過去を振り返っての独白」という形を採っているために、時間の経過が書き手(サトル)の記憶や感情を多少穏やかにし、この程度で済んでいるのかもしれない。
哲学教師・金窪が語るソクラテスの弁明は心に響いた。
読後感は最悪だが、頭から離れない本。
更に3作目が出たようなので絶対に読む。