私の命はあなたの命より軽い(近藤史恵)満足度:☆☆☆★

私の命はあなたの命より軽い
東京で夫と二人暮らしの主人公の遼子だが、夫が突然ドバイへ単身赴任することになったので、大阪の実家に里帰りして出産することに。
実家に帰ると、仲が良かったはずの両親と9歳年下の妹・美和に会話が無く重苦しい雰囲気に気付く。そして父は新築したばかりの自宅を売りに出していた・・・。
重苦しい雰囲気の原因は、美和が中学生だった時に起こした騒動と、過激な対応をした父を恨んだ人物に拠る新たな悲劇だった。自宅を売却したいのも売れないのもその悲劇故。
若干天然で優等生系の遼子の必死の立ち回りで、終盤はハッピーな感じにまとまりそう。
だが、ラストにさらなる不快感の基があったような。
何しろ『サクリファイス』で出会った好きな作家さんなのだが、ちょっとこの作品は自分向きじゃなかったか。